令和5年度 食品安全・オンラインセミナー「有機フッ素化合物(PFAS)の食品健康影響評価書(案)」

食品安全委員会
26 Feb 202453:16

Summary

TLDRこのスクリプトは、食品安全委員会の麻野委員が、食品の安全性確保を目的としたリスク評価方法と用語解説を行い、特に環境汚染物質や農薬、食品添加物などのハザードとリスクの関係を説明しています。また、PFAS(ペルフルオロオキシケムカル)化合物に関する具体的な評価過程や健康影響の研究結果を紹介し、現在の科学的知識に基づいた摂取量の目安(TDI)を策定する必要性と、将来の研究が示す可能性について触れています。

Takeaways

  • 📋 スクリプトは、食品安全委員会委員の麻野氏による講演をベースとしており、食品安全とリスク評価に関する基本的な考え方と方法を紹介しています。
  • 🔍 ハザードとリスクの概念が説明されており、ハザードは食品中に存在する有害な要素を指し、リスクはその有害な影響が実際に起こる可能性と強さを表しています。
  • 🛡️ 食品安全の確保には、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの3つの重要な機能が存在すると触れられています。
  • 🧪 食品安全委員会では、毒性学的な特徴を評価し、人に対する影響を明確にし、リスク管理においては実行可能性や費用対効果を考慮してリスク低減措置が実行されることが示されています。
  • 📈 特定の化学物質(例:環境汚染物質、農薬)に関するリスク評価は、動物試験や人間の調査に基づいて行われ、科学的に評価された安全な摂取量が算定されています。
  • 🚫 汚染物質については、ゼロリスクを目指すことはできないが、リスク評価に基づいて基準値が設定され、食品中の汚染物質をできるだけ低く抑えることが求められています。
  • 🌐 評価の際には、国際的な基準やOECDガイドラインに則した毒性試験報告が利用され、信頼性の高いデータが評価に用いられることが強調されています。
  • 📊 PFAS(_perfluoroalkyl and polyfluoroalkyl substances_)に関する評価では、動物試験と人的疫学研究の結果が分析され、生殖、免疫、発達などの影響に関する証拠が不十分または限定的であることが指摘されています。
  • ⚠️ PFASへの暴露量は、主に食品を通じて行われており、水道水からの暴露は比較的低い割合を占めていることがわかります。
  • 🔎 将来的には、PFASに関する科学的知識が進展すれば、現在のリスク評価を更新する可能性があると述べています。また、実際の摂取量や暴露経路についてのデータ収集が今後の課題となっていることが示されています。

Q & A

  • 麻野委員は食品安全委員会でどのような役割を果たしていますか?

    -麻野委員は食品安全委員会の委員として、食品安全に関するリスク評価の方法や主要な用語などを紹介し、その分野の専門知識を発揮しています。

  • ハザードとリスクの違いは何ですか?

    -ハザードは食品中に存在する有害な影響を起こす可能性のある要素を指し、リスクはその有害な影響が実際に起こる確率と強さを表します。

  • 食品安全委員会ではどのようなリスク評価の方法が用まれていますか?

    -食品安全委員会では、ハザードの特定、毒性学的な評価、人への影響の明確化、そして食品を通じた暴露量の評価に基づくリスクの判定が行われています。

  • 農薬や食品添加物と環境汚染物質の違いは何ですか?

    -農薬や食品添加物は意図的に使用される物质であり、管理が可能ですが、環境汚染物質は意図しないで環境中に存在し、食品に付着する可能性があるため、管理が難しいです。

  • ADIとは何を表しているか説明してください。

    -ADIとは、人が1日に摂取しても健康に有害な影響を及ぼさないと考えられる量の指標です。農薬や食品添加物に対して設定されます。

  • TDIとは何を意味していますか?

    -TDIは、人が1日に摂取しても一生健康に影響を及ぼさないと考えられる量の指標で、汚染物質などに適用されます。

  • GLPとはどのような意味ですか?

    -GLPは「Good Laboratory Practice」の略で、研究や試験を行う際の国際基準に従った適切な実験室の運用方法を指します。

  • 疫学研究とはどのような研究ですか?

    -疫学研究は、人々の集団を対象に健康に関する現象やその要因を研究する科学であり、環境汚染物質などの影響を評価する際に用いられます。

  • PFOSやPFOAなどの特定の化学物質について、現在の評価の難点は何ですか?

    -PFOSやPFOAなどの化学物質については、動物実験と人間での影響に差があり、また疫学研究の結果に一貫性がなく、健康影響の評価が難しい点が難点です。

  • 消費者や事業者を含む全てのステークホルダーが行うリスクコミュニケーションの目的は何ですか?

    -リスクコミュニケーションの目的は、意見や情報を交換し、安全な食品の評価に基づく安心感を得ることにあります。

  • 食品安全委員会では、どのような基準に基づいて食品の安全性が確保されていますか?

    -食品安全委員会では、科学的なリスク評価に基づいて食品の安全性が確保されており、毒性学的なデータや人への影響の評価、食品への暴露量を考慮して判断しています。

  • PFOSやPFOAなどの化学物質の暴露量を評価する際に用いられるポッドモデルとは何ですか?

    -ポッドモデルは、実験動物のデータをもとに、人間に換算した時の摂取量を計算するモデルであり、TDIの算定に用いられます。

  • 現在のPFOSやPFOAのTDI値はどのように決定されたのですか?

    -PFOSやPFOAのTDI値は、動物実験から得られたデータと、安全係数を考慮して決定されたもので、将来的には新たな科学的な知見に基づいて見直す可能性があります。

  • PFOSやPFOAなどの化学物質の暴露経路について、現在の理解は何ですか?

    -PFOSやPFOAなどの化学物質の主要な暴露経路は食品からの摂取であり、水道水や粉塵、吸入なども考慮されますが、具体的な暴露経路の把握が課題となっています。

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